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柳美里対談集――沈黙より軽い言葉を発するなかれ

 ISBN 978-4-904795-19-4 
2012年9月4日発行 
価格 : 1,540円(税込)
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 芥川賞作家・柳美里さん初の対談集。
対談相手は被災地から「詩の礫」を発信し続けた詩人の和合亮一さん。精神分析学者の岸田秀さん。震災・原発をテーマに作品を発表している映画監督の岩井俊二さん。エロティックな作品から連合赤軍をテーマにした『レッド』など多彩な作品を描くマンガ家・山本直樹さん。「ゆきゆきて、神軍」「全身小説家」「極私的エロス」などのドキュメンタリー映画監督・原一男さん。『自壊する帝国』 にて第5回新潮ドキュメント賞および第38回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した元外務官僚にして作家の佐藤優さん。さらにはベルリン国際映画祭主演女優賞受賞の寺島しのぶさん。
【目次より】
まえがき
第1部 3・11以後の表現と表現者
第1章 震災と向き合うための「詩」の解体│和合亮一
「作品を修羅のように書きたい」 
現実が壊れるなかで詩の解体を 
ツイッターで意識された「共時性」 
子どもから老人まで不安の中で生きている 
五感で捉え直さない限り、震災の本質には迫れない 
言葉を失う状況下でも沈黙してはいけない
詩を解体した後、どこへ向かうのか
第2章 原発事故と「閉鎖的共同性」│岸田 秀
原発は戦時の戦艦建造と似ている
原発事故で露呈した官僚の「隠蔽体質」
現代社会を覆う「自閉的共同体」
“共同幻想”はどうすれば壊れるのか
アメリカへの屈辱感をどう解消するのか
アメリカが行った「トモダチ作戦」の矛盾
原発事故で福島から何が奪われたのか
第3章 3・11後の「日常」と「非日常」│岩井俊二
「思い」と「想い」の強度が岩井作品の魅力
ボランティアの若者に詰問
一人ひとり違う「物語」を生きている
逃げる理由より留まる理由を探す
日本のメディアが持つ「北朝鮮」の偏ったイメージ
高校生の頃は教育というものを拒否していた
第4章 作品に描かれた「性」と「死」│山本直樹
性を描く一方で連赤事件を描く
震災の影響と「死」へのイメージ
日常のディテールを描きたい
外へ向けての闘いと内への閉鎖性
見開きで見せることの自由と不自由
子どもにとっての性的な体験
「物語に復讐された」
作者の現実と小説の中の現実
第2部 ノンフィクションとフィクションの間
第5章 フィクションだからこそ本当のことを│原 一男
「一歩踏み込む」という表現の仕方
フィクションだからこそ本当のことしか書きたくない
撮る側と撮られる側の関係
息子の死の落とし前を映画で果たす
ドキュメンタリーを撮る時の表現者の位置
第6章 死者に向けて書くということ│佐藤 優
書きながら声にするという作業をやった
「死者に伝える」という本のあり方
自己正当化と事実を捻じ曲げるのは違う
新潮ドキュメント賞選考委員会の内部
ノンフィクションという文学の終わり
第7章 テレビ界の閉塞と女性キャスター│今野 勉
『オンエア』で描かれたテレビの現場
時代を感じさせる女性キャスター
テレビ界を覆う閉塞感
テレビは本来、起爆力のあるメディアのはずなのに……
『オンエア』で描かれた女性たちの「再生」
第8章 書くという仕事と演じるという仕事│寺島しのぶ
「痛い部分」に手を突っ込んで書く
存在の反証としての食欲と性欲
被害者でもあるし、加害者でもある存在
舞台、映画、テレビはそれぞれ違う仕事
表現者としての女性が母親になること
女優が年齢に応じて演じるということ
 
あとがき

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